2011年 1月17日
『追悼演奏会』
また、この日が巡ってきた。
16年目の神戸大震災記念日、今年は神戸新聞松方ホールで追悼コンサート「いのりのとき」が催され、 オケの一員として、お手伝いする。
今回は、昨年完成初演された上田 益さん作曲の「レクイエム」と創作能舞「光明」が舞われた。
この能舞は、宝生流能楽師の辰巳満次郎氏が震災追悼メッセージに込められた思いをもとに作られ、大倉源次郎氏の小鼓を始めとする邦楽と上田氏作曲の弦楽アンサンブ曲をバックに、ご自身がシテを勤められた。
これが、すばらしかった。満席だったので、ゲネプロしか拝見できなかったけれど、恋しき人と引き裂かれた女の思いが切々と胸に迫ってきて…。本当にすばらしかった。
人にとって大き過ぎる体験、深い思いは、ご本人自身が語るにしても、なかなか日常語には乗り切れない気がする。才能ある手で、歌、詩、舞などの芸術に昇華された時、より人の心に伝わるように思う。
また、打ち上げの席で、満次郎さん、源次郎さんお二方に色々なお話をお伺いでき、勉強になりました。ともに、重要無形文化財総合指定保持者として、日本の文化を背負って立ってらっしゃるだけに、一言一言が示唆に富み重たかった。酒席は、良いものです。
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