2015年 11月25日
『紅葉』
11月3日に、無事「フルートのたのしみ」34回を終えた後も、神戸ルミナリエの音楽の録音、京都松ヶ崎の松雲荘での「和室でフルートをたのしむ」としたソロコンサートと、気が抜けない日々が続く。
今回の「たのしみ」は、1990年代の作品が主だったにも拘わらず、『色々な音楽があって、おもしろかった。あんな音も出せるんですね。』と好評でした。
特に大前先生の「ノン・トラモンティ・クエスタ・パッシオーネ」は、『凄い迫力のある曲で驚いた。』との声が多く寄せられました。即興演奏的要素の多い曲も多かったのですが、伴奏の砂原悟さんに触発もされ、大いに助けて頂きました。
どこかで節目と感じていた演奏会、現代美術の重鎮野村先生から『まだ、行けるぜ!』と言って頂け、ほっとする。
重荷を下ろした後は、仕事の間をぬって、奈良へ正倉院展を見に行き、石山高校のレッスン前に石山寺に詣り、染まりはじめた紅葉を楽しむ。
しーんと静まりかえったお庭の奥に、木々に囲まれた小さな池があり、その中に本当に小さなお社がある。そこに佇んでいると、無性に大前先生の「消えざる情熱」が吹きたくなる。僧がお経をあげていると龍が出たという「八大龍王社」に、日を改め奉納演奏しに行く。
音を出すと、水面に反射、木々にこだまし良く響き、鳥が啼いて答えてくれた。でも、神に献げていても、皆様に聴いて頂いている時の、集中には至らない。演奏会で聴いて頂ける事の有り難さを、改めて知る。
風に吹かれ、せせらぎ、鳥と対話していると、自らの雑念の多さにも気付かされる。 |