2016年 7月31日
『文楽』
今年は、文楽づいてる。招待切符が知り合いから回ってきて、春に続き夏休み八月講演を見に行く。
人形浄瑠璃は、やっぱり太棹三味線のべんべんべん〜の音にしびれますね。大昔、まだ朝日座の頃には、越路大夫の品と色気がある義大夫が好きで、道頓堀によく通いました。
国立文楽劇場には、この4月に初めて足を踏み入れましたが、とても立派になっていて驚きました。でも、朝日座の頃に比べ舞台が横に広がり、人形とサイズが合ってない感じもする。
今回は、古典もの二作と、井上ひさし作の新作もの、モリエール「守銭奴」をもとにした「金壺親父恋達引」を見る。
今もテレビでよく取り上げている話題の色恋沙汰を題材に、人情の機微を義大夫が情感たっぷりに切々と語るのだが、そこで描かれる女は、情念の塊のよう。昔の女は、あんなに情が深かったのかと、驚くばかり…。
段ごとに大夫、太棹が替わるので、語り口、三味線の音色、そのアンサンブルにそれぞれ特徴があり、聴き比べをするのも楽しい。でも、二人きりで男女の台詞、物語りの進行説明、背景の風景感を出すのだから、その音色、情感の込めかた変化など、音楽表現の幅の広さ、アンサンブルの妙は、とても勉強になる。
昼の部、夜の部通しで、2時から8時半過ぎまで、全然飽きなかった。 |