2016年 11月19日
『御開扉』
今、石山寺では33年ぶりに、ご本尊の如意輪観世音菩薩様が御開扉されている。
この春、なにげに石山寺に寄ると、いつもの金色に輝く半下肢像の観音様の後に、大きな仏様が居らして驚く。天皇の勅礼により普段は閉じられている扉が、33年にぶりに開かれているとか…。
建物いっぱいに、ふくよかな優しいお顔の木造仏が石の上に鎮座、よく見れば、衣に金と黒漆で施された唐草模様が、まだ残っている。天を指す指先からは、五色の紐が垂れていて、それを握り祈ると、願いを聞き届けて頂けるとか…。握ってみると、平安時代から続く、人の変わらぬ営みに繋がる気がする。
また、胎内仏も展示されていて、聖徳太子、聖武天皇の念持仏とされる、にこやかなお顔の飛鳥、天平時代の金銅仏は、手ひらに収まるほどの小さき仏様ながら、存在感がある。
4月の頃には記念になるものは何も無かったのに、紅葉狩りの観光客で賑わっていた昨日には、立派なパンフレットに、記念切手まで販売されていた。ちょっとそのパンフで遊んで、イメージ写真作ってみました。
朝から正に秋晴れと言うお天気だったので、思い立ってレッスン前に、石山寺に足を伸ばして良かった。紅から黄、緑のグラデーションが、晴れ上がった空に映えて本当に美しかった。
この時にしか衝かして頂けない、平安時代の鐘を衝いたり遊んでいたら、あっと言う間に時間が過ぎ、慌ててタクシーで校門まで乗り付ける羽目に陥る。
あの充実した時間に比べれば、初乗り料金なんて安いもの。夜は雨になり、時を逃さず掴まえられて良かったと思う。 |