vol.7
『耳を聴き開く』
難しいパッセージになると楽譜にかじり付き
手を動かすことに専念してしまうのは、よくあること。
また、そういう箇所は何度練習してもなかなか呑み込めず、間違いがちになる。
ミスをするのでかじりつくと、悪循環に陥ったりする。
でも、その状態になっている人をよく観察していると、
目は懸命に見開いていらっしゃるが、
聴くのを忘れ、譜面を追いかけていらっしゃるように思える。
それは、目を閉じて歩いているようなもの。
そう、音世界で頼れるのは、耳のみ。
「耳を聴き開き」音の移り変わり、変化の様をしっかり聴き届ければ、
心の内に音が入ってきて、案外楽に吹けるようになる。
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