vol.4
『生きているものは、ゆれながら進む』
4本足の動物も2本足の人間も、翼を羽ばたかせる鳥も、身をくねらせ魚もへびも
生き物はみな揺れながら進む。
音楽もまた、推進力を得るため、
後ろに引いては前へを繰り返しながら進んで行く。 それが拍動の動き。
2拍子は2拍目を、3拍子は3拍目または2、3拍目を吸って、
1拍目に吐き出す波を持っている。
作曲家は、連結記号スラーを用いつつ、いくつかの波を重ね1つのまとまりを作り、
その大波がまた重なり合って重点に向かうよう、音楽を生み出している。
記号を守るだけで、波を感じ取るのを忘れた演奏は、
奏者がエンジンをかけ、音楽を無理やり前へ進ませているようなもの。
疲れもし、生きている音楽を殺してしまうことにもなる。
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